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きゃたのーつ ver.1.1

エリートぼっちの文芸倉庫

ポケモンの技に見られる性差・性役割

ポケモン

こんにちは

きゃたぬきですU・x・U

 

今回は私が昔、

ジェンダーについて学んでいた際、

レポートを行なった

ポケットモンスターにおける性役割の変化』

についてを編集して投稿します_φ(・_・

少し長めですが、

よかったら読んでみてください!

 

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ポケットモンスター(以下、ポケモン)の中には、オスしかいないポケモンがいる。

例えばエビワラーというボクサーをモチーフにしたポケモンである。

当然ながら世の中には女性の格闘家もいるが、

これは当時の開発者が持っていた

「格闘家は男しかいない」

という性役割の偏見が生んだものだろう。

また、同じ種族だが

オスとメスで個体の違うポケモンも数種類いる。

後述するが、

それらは覚える技や見た目が異なり、

そこにも明確な性役割が見られる。

 

だが、ポケモンが発売された1996年から2013年の間に、

それらの性役割イメージが大きく変わったと思わせるポケモンが登場した。

ニャオニクスというポケモンである。

 

このレポートでは、

ニャオニクスと今までのポケモンとで、

どのような性別の違いが反映されているのかを考察し、まとめたものである。

なお、性役割の見られるポケモンとして、

1.同じ卵から同じ確率で孵化する異種のポケモン(後述するニドクインイルミーゼは卵を産むが、その卵からニドキングバルビートとなるポケモンも50%で生まれる)

2.性別によって別の進化を遂げるポケモン

3.作品内描写よりオスとメスで対とみなされるポケモン

のうちどれかを満たすものとする。

また、このレポート内の「性役割」という意味については、

明治学院大学社会学部教授の加藤秀一氏による記述、

性役割とは、ある人が、その性別ゆえにとることを社会的に期待されている行動パターンのことである(加藤 2006)』

に基づいて進めることとする。

 

最初に性役割のあるポケモンとその特徴を挙げることにする。

1996年に発売された

ポケットモンスター赤・緑』で初登場となるニドクインニドキングは、

それぞれがメス・オスのみで固定されており、

ニドクインが覚えてニドキングが覚えない技が幾つかある。

その中で性役割的な意味を持つものに、

ニドクインの「あまえる」という技がある。

 

問題となるのは技の効果ではなく、

甘えるという動作である。

ここから見られることに、

「あまえる」をオスであるニドキングが覚えられないのは、

「女は甘え、男は甘えない」という性役割固定観念があるためではないか。

 

更に2002年発売のポケットモンスター ルビー・サファイアにおいても

この「あまえる」問題は見られる。

バルビートイルミーゼラティオスラティアスである。

バルビートはオスのポケモンであり、

メスのイルミーゼとは対になるが、

やはりメスのイルミーゼのみが「あまえる」を覚えることが出来る。

そしてラティアスラティオスもまた性役割のあるポケモンであり、

前述したニドクインイルミーゼと同じく、

メスのラティアスのみ「あまえる」を覚えられる。

 

次いで2006年発売のポケットモンスター ダイヤモンド・パールより、

性別により別の進化を遂げるポケモン

ミノムッチミツハニーが現れる。

前者はオスとメスでそれぞれ別のポケモン(オスがガーメイル、メスがミノマダム)に進化し、

後者ではメスのみが進化をする。

これらは「あまえる」を覚えられないが、

双方ともメスのみが「ゆうわく」という技を覚える。

これもまた、

「女は誘惑をするもの」

という性役割の認識が

見え隠れしていると考えられないだろうか。

 

ここまでの流れによると、

性差のあるポケモンにおいて、

メスのみが

『あまえる』『ゆうわく』

という技を使用できるため、

それぞれが性役割によって

技を設定されていると考えられる。

 

そして2013年発売の

ポケットモンスター X•Y』

に新しく登場したポケモン

ニャオニクスも性別による違いをもつポケモンである。

ニャオニクスのオスとメスは同じ種族であり名前も同じだが、

性別によって

見た目・特性(特性とは各ポケモンが持つ個性のようなものである)覚えられる技

の三つが違う、

これまでにいなかったポケモンである。

 

前述した流れであれば、

メスのみが「あまえる」または「ゆうわく」を覚えるが、

何故かオスだけが「あまえる」を覚えられる。

 

「あまえる」

をメスに与えなかった事は、

「女は甘える」

「男は甘えない」

 という他のポケモンに見られた性役割を意図的に覆すためではないか。

 

加えてニャオニクス
オスは「いたずらごころ
メスは「かちき」
という特性を割り振られている。

 

ここで「かちき」という特性を

メスのみにしているのには、 

「女性は男性にへり下る」

という過去の観念への抵抗、

「男の様に勝ち気に生きる」

という現代女性のあるべき姿から来ているのではないだろうか。

 

以上より、

1996年当初のニドクインニドキングに始まり、

ニャオニクスまでの技の変遷を踏まえて、

ポケモンにおける

性役割への意識が

明確に変わったものであると考えられる。

しかし、2016年に発売する

ポケットモンスター サン・ムーン』において、

やはりメスのみが「あまえる」「ゆうわく」などを覚えるとなれば、

他に理由があるものと思われる。

一方でニャオニクスのように

現社会の女性のあり方を象徴するような

性役割の変化があれば、

この結論は正しいと言えるだろう。

今後の展開に期待すると共に、

柔軟に変化するポケットモンスター性役割を更に分析していきたいと思う。

 

【参考文献】

加藤秀一 「ジェンダー入門」 朝日出版社 2006年11月30日 初版発刊

 

---追記(2017年4月14日)---

ポケットモンスター サン・ムーン』において、

前述したビークインと同じく

メスのみが進化を遂げるポケモン

ヤトウモリとその進化系、エンニュートが登場したが、

エンニュートのみが「ゆうわく」を覚え、ヤトウモリは覚えることが出来ない。

無論これらはオス・メスで対となる訳ではないため、

性役割の変化を語ることは出来ないが、

あえてオスのヤトウモリに

「ゆうわく」

を与えていない事自体が、

メスの「性役割としての誘惑」を

開発側が継続して認識している証拠になり得るのではないか。

 

 

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以上、またこんど!

きゃたぬき

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